この統計表で何が分かるか
景気ウォッチャー調査は、内閣府が公表している統計で、地域の景気動向を職業を通じて観察できる立場にある人(タクシー運転手や小売店の店員など)の実感をもとに集計したものです。今回取り上げる「分野・業種別DI」という統計表は、この調査結果を分野別・業種別にDI(景気動向指数)として整理したものです。2026年6月時点の調査結果が反映されており、e-Stat上での最終更新日は2026年7月23日となっています。
DIとは、景気が「良くなっている」「変わらない」「悪くなっている」といった回答の割合を指数化したもので、50を境目として、50を上回れば景気が良いとみる回答が多く、50を下回れば悪いとみる回答が多いことを示します。
数値データを表で見る
| 時点 | 値 |
|---|---|
| 2025年5月 | 44.2 |
| 2025年6月 | 44.8 |
| 2025年7月 | 44.7 |
| 2025年8月 | 45.3 |
| 2025年9月 | 44.9 |
| 2025年10月 | 47.1 |
| 2025年11月 | 46.9 |
| 2025年12月 | 47.2 |
| 2026年1月 | 44.7 |
| 2026年2月 | 46.9 |
| 2026年3月 | 46 |
| 2026年4月 | 42.9 |
| 2026年5月 | 43.8 |
| 2026年6月 | 42.9 |
数値データの読み取り
分野を「合計」、景気の方向性及び水準を「景気の現状判断(水準)」に絞ったDIの推移を見ると、2025年5月は44.2、2025年6月は44.8、2025年7月は44.7、2025年8月は45.3、2025年9月は44.9となっています。その後、2025年10月には47.1まで上昇し、2025年11月は46.9、2025年12月は47.2と、40台後半の水準がしばらく続きました。
2026年に入ると、1月は44.7に下がり、2月は46.9に戻り、3月は46.0とやや低下しています。4月は42.9まで下がり、5月は43.8とわずかに持ち直したものの、6月は再び42.9となりました。
この期間を通じて見ると、DIはおおむね43〜47の範囲で推移しており、50を上回る月は無いことが読み取れます。景気の現状判断が良いとみる回答より、悪いとみる回答がやや多い状態が続いていると解釈できます。ただし、これは分野を「合計」でまとめた値であり、業種別や地域別に見ると異なる動きをしている可能性がある点には注意が必要です。
どんな調べ物に使えるか
この統計表は、地域や現場の景況感を月次で追いたい場合に参考になります。企業の経営判断や事業計画の前提として、足元の景気実感がどう動いているかを把握したいビジネス実務者にとっては、月次の速報性がある指標として活用できます。
研究目的では、DIの推移とほかの経済指標(生産指数や消費関連統計など)とを突き合わせて、景気の転換点を探る手がかりにする使い方が考えられます。また、分野・業種別に細分化されたDIも収録されているため、特定の業種(小売、飲食、サービスなど)に絞った景況感の変化を調べる際にも使えます。今回紹介した数値は「合計」の値ですが、統計表全体では業種別の内訳も確認できます。
データの見方の注意点
この統計表を扱う際は、いくつかの点に注意が必要です。まず、DIはあくまで回答者の主観的な景況感を指数化したものであり、生産額や売上高のような実数値の統計とは性質が異なります。数値の高低だけでなく、50という基準線との位置関係で見る必要があります。
次に、今回示した数値は「分野: 合計」「景気の現状判断(水準)」という条件で抽出したものです。統計表には方向性判断や先行き判断など、ほかの区分のDIも収録されているため、条件が異なる数値と単純に比較すると誤った解釈につながります。
さらに、月ごとの変動には季節的な要因が影響している可能性があります。単月の数値の上下だけで景気の方向性を判断するのではなく、複数月の推移をあわせて確認することが望まれます。調査時点は2026年6月であり、それ以降の動向はこの統計表からは分かりません。
ご利用にあたって
掲載内容は各省庁が公表する統計データに基づくものであり、統計の解釈・分析は編集部独自の見解を含みます。正確な数値は公表元の統計データを直接ご確認ください。