この統計表で何が分かるか
景気ウォッチャー調査は、内閣府が地域の景気動向を敏感に反映する職業の従事者(タクシー運転手や小売店の店員など)に景況感を聞き取る調査です。今回取り上げる統計表は「回答者数・構成比及びDIの推移 景気の現状判断(方向性)の理由-全国-企業動向関連」というもので、景気の現状判断のうち「方向性」(前月と比べて景気がどう変化したか)について、企業動向に関連する回答者が挙げた理由の内訳を集計したものです。調査時点は2026年06月分で、e-Stat上の最終更新日は2026-07-23、収録データ件数は4746件です。
表題に「方向性」と明記されている点は重要です。景気ウォッチャー調査のDIには、景気の水準(良い・悪い)を示す「現状判断(水準)」と、前月からの変化を示す「現状判断(方向性)」の二種類があり、この統計表は後者に当たります。数値を見る際は、水準の良し悪しではなく「前月と比べてどちらの方向に動いたと答えた人が多いか」を示すものだと理解しておく必要があります。
数値データを表で見る
| 時点 | 値(%) |
|---|---|
| 2025年5月 | 100 |
| 2025年6月 | 100 |
| 2025年7月 | 100 |
| 2025年8月 | 100 |
| 2025年9月 | 100 |
| 2025年10月 | 100 |
| 2025年11月 | 100 |
| 2025年12月 | 100 |
| 2026年1月 | 100 |
| 2026年2月 | 100 |
| 2026年3月 | 100 |
| 2026年4月 | 100 |
| 2026年5月 | 100 |
| 2026年6月 | 100 |
数値データの読み取り
今回抽出した条件は、地域が全国、「現状判断の理由(企業動向関連)」の回答構成比が「計」、判断区分が「合計」というものです。この条件で見ると、2025年5月から2026年6月まで14か月分の値がすべて100.0%となっています。
これは、各月における企業動向関連の回答理由の構成比を全区分にわたって合計した値であり、定義上100%になることを示しています。つまりこの系列自体は景況感の強弱を表すものではなく、内訳集計が過不足なく100%に積み上がっていることを確認するための合計行に当たります。景気の良し悪しやDIの水準を知りたい場合は、この「計」ではなく、個別の判断区分(例えば「良くなっている」「悪くなっている」など)ごとの構成比やDIの数値を別途参照する必要があります。
どんな調べ物に使えるか
この統計表は、企業動向に関連する回答者(企業の景況感に近い立場の人々)が、景気の方向性についてどのような理由を挙げているかを定量的に把握したいときに使えます。具体的には次のような用途が考えられます。
- 地域経済や業種別の景況感の変化要因を分析するリサーチで、理由別の構成比の推移を時系列で追う
- 企画書や報告書で、景気動向の背景にある「理由」の分布を裏付けデータとして引用する
- DIの変動と、それを説明する理由構成比の変化を突き合わせて要因分析を行う
ただし今回示した「計=100.0%」の系列単体では、理由の中身までは分かりません。理由別の内訳(例えば「売上」「雇用」「取引先の状況」といった具体的な区分)を見るには、同じ統計表内の各区分の構成比を個別に確認する必要があります。
データの見方の注意点
調査対象月は2026年06月分ですが、e-Stat上の最終更新日は2026-07-23であり、公表のタイミングと調査対象月にはずれがあることに注意してください。また今回の抽出条件は「全国」「企業動向関連」「回答構成比_計」「判断:合計」に限定しています。地域を絞ったり、家計動向関連など別の区分に切り替えたりすると、当然ながら異なる系列になります。
さらに、この統計表が「方向性」のDIに関するものである点も見落とせません。同じ調査には「水準」を示す現状判断DIも存在するため、他の記事や資料で見た数値と比較する際は、どちらの指標かを必ず確認してください。名称が似ているため、方向性の数値を水準の数値と混同すると、景気の良し悪しの解釈が逆になるおそれがあります。
ご利用にあたって
掲載内容は各省庁が公表する統計データに基づくものであり、統計の解釈・分析は編集部独自の見解を含みます。正確な数値は公表元の統計データを直接ご確認ください。