この統計表で何が分かるか
この統計表は、厚生労働省が公表している「社会保障費用統計」のうち、令和5年度分の時系列表です。政策分野別の社会支出について、金額、国内総生産(GDP)に対する比率、対前年度増減率が時系列で整理されています。社会保障に関する支出が経済規模全体に対してどの程度の大きさになっているかを、年度を追って確認できる構成になっています。
今回取り上げるのは、政策分野が「合計」、表章項目が「対国内総生産比」の系列です。単位は%で、2010年度から2023年度までの数値が収録されています。政策分野別の内訳や金額そのもの、対前年度増減率については、この記事では扱いません。
数値データを表で見る
| 時点 | 値(%) |
|---|---|
| 2010年度 | 21.5 |
| 2011年度 | 22.4 |
| 2012年度 | 22.5 |
| 2013年度 | 22.3 |
| 2014年度 | 22.1 |
| 2015年度 | 22.4 |
| 2016年度 | 22.4 |
| 2017年度 | 22.4 |
| 2018年度 | 22.6 |
| 2019年度 | 23 |
| 2020年度 | 25.3 |
| 2021年度 | 25.8 |
| 2022年度 | 25.1 |
| 2023年度 | 23.5 |
数値データの読み取り
政策分野合計の社会支出の対GDP比は、2010年度に21.48%でした。その後は2012年度に22.52%まで上昇し、2013年度から2014年度にかけては22.31%、22.11%とやや低下しています。2015年度以降は22%台で推移し、2019年度には22.97%となっています。
2020年度には25.31%へと大きく上昇し、2021年度は25.79%とさらに高い水準になっています。2022年度は25.15%、2023年度は23.5%と、2021年度をピークにその後は低下する動きが読み取れます。
2020年度から2021年度にかけての上昇幅は、2010年度から2019年度までの変動幅と比べて大きく、この期間に社会支出の規模がGDPに対して相対的に拡大したことがうかがえます。2022年度以降の低下は、2019年度以前の水準に近づく方向の変化と読み取れますが、2023年度の23.5%は2019年度の22.97%をなお上回っています。
どんな調べ物に使えるか
この系列は、社会保障に関する支出規模を経済規模との比較で把握したいときに参照できます。金額の推移だけでは物価や経済成長の影響と区別しにくいため、対GDP比を見ることで、社会支出がその年度の経済規模に対してどの程度の割合を占めていたかを比較しやすくなります。
研究目的では、他の国の社会支出対GDP比と比較する際の日本側の基礎数値として使えます。ビジネス実務では、社会保障関連の市場規模や政策動向を説明する資料の背景データとして引用できます。企画書やレポートで社会保障費の規模感を示す際、年度ごとの数値をそのまま参照できる点が特徴です。
また、複数年度の数値が並んでいるため、特定の年度だけでなく、上昇や低下の傾向を含めて説明したい場合にも使いやすい形式です。
データの見方の注意点
この統計表の調査時点は2023年4月で、令和5年度社会保障費用統計として公表されたものです。e-Stat上の最終更新日は2026年7月24日となっています。数値を引用する際は、どの年度の公表分かを明記することが望ましいです。
対GDP比という指標は、分子である社会支出の金額だけでなく、分母であるGDPの変動の影響も受けます。GDPが大きく変動した年度は、社会支出の実額が横ばいでも比率が変動することがあるため、比率の変化を社会支出の実額の変化とそのまま同一視しないよう注意が必要です。
また、この記事で扱ったのは政策分野「合計」の数値であり、医療、年金、介護といった個別の政策分野別の内訳は含まれていません。分野別の内訳を確認したい場合は、統計表の該当箇所を別途参照する必要があります。年度をまたいで比較する際は、集計方法や範囲に変更がないかも合わせて確認することをおすすめします。
ご利用にあたって
掲載内容は各省庁が公表する統計データに基づくものであり、統計の解釈・分析は編集部独自の見解を含みます。正確な数値は公表元の統計データを直接ご確認ください。