この統計表で何が分かるか
厚生労働省が公表する社会保障費用統計は、年金・医療・福祉などにあてられた社会支出の規模を継続的に集計した統計です。今回取り上げる時系列表第4表は、そのうち「一人当たり社会支出」の推移を指数で示したものです。指数は1980年度の値を100として、各年度の水準がその何倍にあたるかを表しています。調査時点は2023年4月で、2023年度までの値が収録されています。
金額そのものではなく指数で示されている点が特徴です。物価や人口構成が変わっても、1980年度を基準にした相対的な水準の変化を長期でたどれるようになっています。
数値データを表で見る
| 時点 | 値(1980年=100) |
|---|---|
| 2010年度 | 384 |
| 2011年度 | 397 |
| 2012年度 | 400 |
| 2013年度 | 407 |
| 2014年度 | 413 |
| 2015年度 | 432 |
| 2016年度 | 437 |
| 2017年度 | 445 |
| 2018年度 | 450 |
| 2019年度 | 460 |
| 2020年度 | 491 |
| 2021年度 | 517 |
| 2022年度 | 518 |
| 2023年度 | 510 |
数値データの読み取り
2010年度以降の指数(1980年=100)を見ると、次のように推移しています。
- 2010年度: 384.3
- 2013年度: 407.3
- 2016年度: 437.1
- 2019年度: 460.1
- 2020年度: 490.6
- 2021年度: 517.1
- 2022年度: 518.2
- 2023年度: 510.4
2010年度から2021年度にかけては、年度によって伸びの大きさに差はあるものの、指数はおおむね右肩上がりで推移しています。特に2019年度の460.1から2020年度の490.6への上昇は、他の年度間の変化幅と比べて大きくなっています。
2021年度の517.1でピークに近い水準となった後、2022年度は518.2とほぼ横ばい、2023年度は510.4とやや低下しています。2021年度以降の3年間は、それ以前の一貫した上昇傾向とは異なり、指数の伸びが鈍化または反転している時期と読み取れます。ただし、この表は指数のみを示したものなので、背景にある金額や人口の動きについてはこの数値だけからは分かりません。
どんな調べ物に使えるか
この表は、一人当たりの社会支出が長期的にどのくらいの倍率で拡大してきたかを確認したいときに使えます。例えば、次のような調べ物に向いています。
- 社会保障関連の企画書やレポートで、長期トレンドを示す参考数値として引用する
- ある年度の水準が基準年(1980年度)と比べて何倍かを把握する
- 年度間の伸び率を自分で計算し、増加が加速した時期・鈍化した時期を特定する
指数は基準年からの相対的な変化を見るのに適していますが、実額の規模感(円単位でどの程度か)を知りたい場合は、同じ統計表の中にある金額表示の系列や、他の時系列表と合わせて確認する必要があります。
データの見方の注意点
この表を使う際は、以下の点に注意が必要です。
- 指数の基準年は1980年度です。異なる基準年の指数と比較する場合は、基準の違いを踏まえて解釈する必要があります。
- ここで扱っているのは「指数」の系列のみです。金額そのものの推移や、社会支出の内訳(年金・医療・福祉等の区分)については、この表からは分かりません。
- 「一人当たり」という表章は、社会支出の総額を人口で割った値をもとにしていると考えられますが、どの人口を分母に使っているかなど算出方法の詳細はこの表単体からは確認できません。数値を引用する際は、統計表の定義欄や利用の手引きも合わせて確認することをすすめます。
- e-Stat上の最終更新日は2026年7月24日となっていますが、調査時点(2023年4月時点の集計、2023年度までの数値)とは別の情報です。最新の年度の数値が今後改定される可能性もあるため、引用時は取得日を明記しておくと後の確認がしやすくなります。
- 「社会保障・衛生」という分野区分は、統計を整理する上での便宜的な括りであり、公表元による公式な分類とは限りません。
ご利用にあたって
掲載内容は各省庁が公表する統計データに基づくものであり、統計の解釈・分析は編集部独自の見解を含みます。正確な数値は公表元の統計データを直接ご確認ください。