この統計表で何が分かるか
社会保障費用統計は、厚生労働省が公表している統計で、日本の社会保障制度全体にどれだけの費用が投じられているかを体系的に集計したものです。今回取り上げる「2024年度社会支出集計表(集計表1)」は、2024年4月時点の状況を対象とした集計表で、社会保障費用統計のうち「社会支出」と呼ばれる区分を集計したものです。
社会支出は、年金や医療、介護、福祉、雇用対策など、社会保障の目的で支出される費用を国際比較が可能な形で整理した概念です。集計表1はこの社会支出全体の構成を示す基本的な表と位置づけられ、収録データ件数は64件となっています。件数の規模から見ると、大きな政策分野ごとの内訳を示す集計表であると読み取れます。
統計表の構成について
この集計表は、社会保障費用統計という一つの統計調査の中に含まれる集計表の一つです。統計名に「集計表1」とあることから、同じ2024年度社会支出集計というくくりの中に、他にも複数の集計表が存在する可能性があります。集計表1は、その中でも社会支出の全体像や主要な区分を示す位置づけにあると考えられます。
この統計表は分野としては社会保障・衛生に整理されていますが、これは統計表を探しやすくするための区分であり、公表元が定めた唯一の分類とは限らない点には留意が必要です。実際にどのような項目や区分で数値が並んでいるかは、e-Statの該当ページで表の中身を直接確認することが確実です。
どんな調べ物に使えるか
この集計表は、日本の社会保障制度にかかる費用の全体像を把握したい場合の出発点として使えます。具体的には次のような場面での活用が考えられます。
- 社会保障制度全体の規模感を年度単位で確認したいとき
- 年金、医療、福祉といった政策分野ごとの費用配分の傾向を調べたいとき
- 社会保障費用統計の他の集計表や過去年度の集計表と突き合わせて、経年の推移を追いたいとき
- 社会支出という国際比較可能な概念に基づく数値を、他国の統計と並べて参照したいとき
学生や研究者にとっては、社会保障制度に関するレポートや論文の基礎資料として、この集計表がどのような区分で構成されているかを最初に把握しておくと、後続の分析がしやすくなります。ビジネス実務者にとっても、社会保障関連の市場動向や政策動向を把握する際の一次資料として位置づけられます。
データの見方の注意点
この集計表を利用する際には、いくつか確認しておきたい点があります。
第一に、調査時点は2024年4月となっていますが、社会保障費用統計は会計年度単位で集計される性質の統計であるため、集計対象となっている期間の範囲を表の中身で確認することが望ましいです。
第二に、e-Stat上の最終更新日は2026年7月29日となっています。統計表の公表日と実際の対象年度にはずれがあることが一般的なので、この表がどの年度を対象にした数値なのかを、表題や表内の年度表記で改めて確認することが重要です。
第三に、社会保障費用統計には「社会保障給付費」や「社会支出」など、似ているようで範囲が異なる複数の集計概念が存在します。他の集計表や他の統計と数値を比較する際は、同じ概念・同じ集計範囲同士を比べているかを必ず確認してください。異なる概念の数値を単純に並べると、実態と異なる比較になるおそれがあります。
最後に、この集計表単体では時系列の推移は分かりません。推移を確認したい場合は、同じ社会保障費用統計の中にある過去年度の集計表と合わせて参照する必要があります。
ご利用にあたって
掲載内容は各省庁が公表する統計データに基づくものであり、統計の解釈・分析は編集部独自の見解を含みます。正確な数値は公表元の統計データを直接ご確認ください。