この統計表で何が分かるか
この統計表は、国土交通省が実施する「鉄道車両等生産動態統計調査」のうち、鉄道車両(新造)の生産動向を前年同期比で示した推移表です。項目は「両数」で、需要先は「合計」に絞り、表章項目は「前年同期比」となっています。単位は%で、鉄道車両の新造両数が前年の同じ時期と比べてどれだけ増減したかを月ごとに追える構成です。金額ベースの数値や需要先別(国内向け・輸出向けなど)の内訳はこの条件には含まれていません。
数値データを表で見る
| 時点 | 値(%) |
|---|---|
| 2025年5月 | 73.8 |
| 2025年6月 | 128 |
| 2025年7月 | 51.5 |
| 2025年8月 | 133 |
| 2025年9月 | 126 |
| 2025年10月 | 113 |
| 2025年11月 | 123 |
| 2025年12月 | 97.1 |
| 2026年1月 | 77.5 |
| 2026年2月 | 85.2 |
| 2026年3月 | 184 |
| 2026年4月 | 97.3 |
| 2026年5月 | 68.8 |
| 2026年6月 | 82.7 |
数値データの読み取り
公表されている前年同期比の値を見ると、月によって振れ幅が大きいことが分かります。2025年5月は73.8%、6月は128.3%、7月は51.5%と、隣接する月でも前年比が大きく上下しています。その後8月133.3%、9月126.2%、10月113.0%、11月123.0%と前年を上回る水準が続いた一方、12月は97.1%、2026年1月は77.5%、2月は85.2%と前年を下回る月も見られます。2026年3月には184.0%まで上昇し、4月97.3%、5月68.8%、6月82.7%と再び前年を下回る水準に戻っています。
このように前年同期比が100%を大きく上回る月と下回る月が交互に現れているのは、鉄道車両の新造が特定の発注・納入時期に集中しやすい財であることを反映していると読み取れます。前年同期比だけを見て「生産が拡大傾向にある」「縮小傾向にある」と単純に判断するのは難しく、月ごとの変動が大きい系列であることを踏まえて解釈する必要があります。
どんな調べ物に使えるか
この表は、鉄道車両メーカーの生産動向を短期的に把握したいときの一次資料として使えます。例えば、特定の月に前年比で大きく増減した理由を、鉄道事業者の車両更新計画や新規路線開業のニュースと突き合わせて確認する、といった使い方が考えられます。また、鉱工業生産全体の動きと比較して、鉄道車両という個別品目がどの程度連動しているか、あるいは独自の変動をしているかを確認する材料にもなります。
業種レポートや業界動向の記事で「前年同期比◯%」という数値を引用する場合は、対象月と「両数」「需要先:合計」という条件を明記した上で使うと、読者に誤解を与えにくくなります。研究目的で長期の傾向を分析したい場合は、この前年同期比の系列だけでなく、実数(両数そのもの)の推移表と合わせて確認すると、変動の背景がより把握しやすくなります。
データの見方の注意点
この表の調査時点は表内に明記されていないため、各月の数値がいつ公表・確定したものかは、e-Statの元ページで確認することをおすすめします。また、前年同期比は「両数」ベースであり、金額ベースの前年同期比とは動きが異なる可能性があります。需要先が「合計」であるため、国内向けと輸出向けで動きが逆であっても、合計の値には反映されますが内訳は分かりません。
鉄道車両の新造は少数の大型案件の納入時期によって月ごとの両数が大きく変わりやすい品目です。前年同期比が高い月や低い月を単月で取り上げて「増加傾向」「減少傾向」と評価するのではなく、複数月の推移や実数の水準と合わせて確認する方が実態に近い理解につながると考えられます。分野区分として「鉱工業」に整理されていますが、これはこちらの便宜的な分類であり、公表元の正式な分類とは限らない点にも留意してください。
ご利用にあたって
掲載内容は各省庁が公表する統計データに基づくものであり、統計の解釈・分析は編集部独自の見解を含みます。正確な数値は公表元の統計データを直接ご確認ください。